ニチアサ観察日記

主に戦隊とプリキュアについて書いていこうと思います。現在暫定運用です。

仮面ライダージオウの二つの意味~魔王VS破壊者、配信によせて~

皆様お久しぶりです。中2です。

ツイッターはこちら。フォローしていただけると嬉しいです。

 

仮面ライダージオウの新作「RIDER TIMEジオウVSディケイド」が制作され、2/9(火)に配信開始となった。東映特撮ファンクラブでは「ディケイド館のデスゲーム」、TELASAでは「7人のジオウ」が配信されている。「RIDER TIME祭」と題してRIDER TIME龍騎&シノビも含めて両サイトで生配信されるというイベントもあり、配信開始後にはTwitterで「#平成33年」がトレンドに入る事態となった。(「平成33年」は生配信イベントの告知時にもトレンド入りしていた。)平成33年と言い出すあたり仮面ライダージオウらしいというかなんというか……。2/14には第二話が配信される。という訳で平成33年となった今、仮面ライダージオウについて1年半越しになるがまとめておきたいと思う。

 

仮面ライダージオウは「平成仮面ライダーシリーズ」の第20作記念作品であり、同時に平成仮面ライダー最終作でもあった。平成仮面ライダーシリーズの第20作というひとつの区切りを迎える作品にして、「平成」という時代の仮面ライダー最終作。二つの意味での記念作である。

放送開始前からビルド役犬飼貴丈氏やエグゼイド役飯島寛騎氏が出演することが公表されていたように、歴代の平成仮面ライダーシリーズの主要キャストが再登場し、それぞれのキャラクターのifの姿や数年後の姿を演じたことで話題になっていた。ジオウもまた、彼らレジェンドライダーに出会い、ライダーの力を受け継いでいく。

 

仮面ライダージオウには大きく二つの楽しみ方があったと思う。一つは最低最悪の魔王になる未来が待っている常磐ソウゴが未来人たちと出会い、いかに最高最善の魔王になっていくかという、あくまでジオウ単体をひとつの物語としてとらえた楽しみ方。もう一つは、平成仮面ライダー作品のキャラクターの再登場と各作品の再解釈という平成ライダー総括作品としての楽しみ方だ。

前者の楽しみ方ならば、常磐ソウゴと明光院ゲイツの関係を見ていくと面白いだろう。主人公常磐ソウゴには最低最悪の魔王・オーマジオウとなる未来が待っているわけだが、彼が魔王として君臨する最悪の未来を変えるために現代にやってきた明光院ゲイツは彼を倒そうとする。しかし二人の間に奇妙な友情関係が芽生えていく。たとえば、最初は「魔王になる前にお前を倒す」と言っていたゲイツだが、ソウゴとともに過ごすうちに「魔王になったらお前を倒す」に変化する。年末ごろには「ベルトを捨てろ!お前は魔王にならなくて済む」と発言する程度にはソウゴに情を感じていると受け取ることができる。さらにソウゴとともに戦ううちに彼を認めるようになり、「こいつを魔王にはさせない」という発言が飛び出すようになる。そして最終話では「オーマジオウになれ!ソウゴ!」と自ら魔王になるように促すようになる。台詞をみれば二人のたどった関係性の変化は明らかである。

一方、ソウゴを最低最悪の魔王にしたくないツクヨミは最初ソウゴに好意的に接していたが、中盤でソウゴの手にしたわけのわからない力に恐怖を覚えるようになる。ところが自身にも時間を止めるというタイムジャッカーと同等の力があることが発覚する。レジェンドからの言葉「記憶とか力とかあってもなくても自分は自分」を受けて、ツクヨミはもう一度ソウゴを信じようと決意した。また、ウォズは常磐ソウゴを将来魔王になる男として接しており、魔王らしくない行動をした時には一時敵サイドについたこともあったが、次第に常磐ソウゴを常磐ソウゴとして接していくようになる。

全49話の中でメインキャラクターの関係性の変化と、ソウゴの選んだ結末を見ていくことがひとつ、ジオウという物語のポイントだったと思う。

もう一つ、平成仮面ライダーシリーズの総括作品としての側面もジオウにはあると思う。過去作キャラは2話セットでゲスト出演することが多く、○○編と呼ばれていた。過去作のキャラクターもゲスト出演だけではなく、2話分のシナリオそのものが原作を意識していたと当時から感じていた。アプローチは様々だったと思う。7・8話のウィザード編では、希望が絶望に変転しても残った希望を守るというウィザードのシナリオを思い起こさせるものだった。11・12話の鎧武編では、運命を変えるほどの力を手にすることという点が鎧武のテーマそのものだったと思う。29・30話の剣編では、ジオウと一緒に運命に勝利した剣崎と始を演出したものと考えている。35・36のカブト編では、ワームの擬態だったとしても兄弟は兄弟かという、カブト本編でもたびたび現れた部分を地獄兄弟で行っている。このようにジオウ○○編のシナリオは平成仮面ライダーの各作品に対し、50話前後放送されたストーリーを2話分になるように抽出・再解釈を行っているのである。その再解釈を積み上げることで、作品の集合体として平成仮面ライダーシリーズの総括をしようとしたと考えている。

そのため一つだけ不満点を言わせてもらうならば、TVシリーズで扱われなかったクウガ・W・ドライブ編をテレビ本編で見てみたかったという思いはある。平成ライダー総括作品として、仮面ライダージオウがこの3作品にどのような再解釈を与えるのかという点を見たかったと思う。劇場版でも平成ライダー全体に対する総括はしていても、この3作品に対する再解釈はあまり見られなかった気がする。その部分を本編で見てみたかった。

ただ各作品に対する再解釈を行った一方で、劇場版OverQuartzerで描かれているように、平成仮面ライダーの歴史は一つのシリーズとして総括できないほど多様かつ複雑であり、さらに平成の仮面ライダーは平成仮面ライダーだけではない。そもそも総括など烏滸がましいという結論に至ったということだ。

 このように、仮面ライダージオウには、王様を夢見る少年が最高最善の魔王になっていく物語という側面と、平成ライダー20作かつ最終作として各作品を再解釈するという側面があったと考えている。

ジオウにおけるディケイドや、ディケイドとジオウの比較については、また機会があればまとめておきたい。

最後に、今回のRIDER TIMEではディケイドが主役であるわけだが、その仮面ライダーディケイドから村井良太氏が小野寺ユウスケ役で出演している。門矢士とともに旅をした彼がディケイド主役の話で帰ってこれたのは幸運なのかもしれない。